2016年7月6日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(1-6)

大阪市パノラマ地図検定の解説編です。

(第1回 第6問)
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所は当時何があったでしょうか?(建物名、橋名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D この地図について、自由にコメントしてください。


※Dの自由なコメントが浮かばない方は、下記のヒントにお答えください。
 本町の南で川が曲がっているのはなぜでしょうか?

 配点は、A、Dは各2点、B、Cは各3点とします。


解答と解説
A 大阪府立商品陳列所

B マイドームおおさか、大阪商工会議所、シティプラザ大阪
C 大坂西町奉行所
D 1724年(享保9年)の妙知焼けにより京橋口にあった東西両奉行所のうち
  西町奉行所のみが当地に移転した。
  東横堀川は本町橋~農人橋間でS字にカーブを描き、
  一区画分(約40間)東へ折れ曲がっている。
  これは開削時にあった浄国寺という寺院を避けたためと言われている。
  水流が急になるために水難事故が絶えなかったことから、
  付近の住民らで水難よけの曲り淵地蔵尊を祀った。現在でも小さな祠が残っている 。
  また、この「本町の曲り」は上方落語「饅頭こわい」にも登場する。


浪華名所獨案内の内本町付近(上が北)
天保新改攝州大阪全圖の内本町付近(上が北)

 商品陳列所のあったこの場所(本町橋の東詰)は、大阪にとって由緒のある土地です。
 豊臣秀吉の時代には東横堀川が大坂城の外堀であり、この地は惣構(そうがまえ)の一画でした。江戸時代に入ると、このあたりは幕府の米蔵屋敷のひとつとなり、「浜の御蔵」と呼ばれました。大坂城に運ばれる米の一部は東横堀川を遡って、ここへ運ばれたといいます。江戸時代中期には、米蔵から塩や味噌を貯蔵する「御塩噌蔵」となりましたが、1724年(享保9年)の大火(妙知焼け)で焼失してしまいます。
 西町奉行所は、現大手前合同庁舎の位置に東町奉行所と並んで1619年(元和5年)に設置されていましたが、妙知焼けにより焼失したため、西町奉行所のみがこの地に移転しました。敷地面積は、9,600平方メートルにも及びました。以降、1868年(明治元年)に廃止されるまでの約140年にわたり、西町奉行所がこの地にありました。


 1868年(明治元年)の明治維新により、奉行所は廃止され、大阪裁判所となりました。その後、同年5月、初代大阪府庁が置かれました。庁舎は、西町奉行所の建物がそのまま使用されました。


 1874年(明治7年)に大阪府庁が江之子島へ移転した跡地に、「大阪博物場」が1875年(明治8年)設立されました。
 その後の1878年(明治11年)には、府立教育博物館を併合し、産業見本市、図書館、博物館、美術館、動物園、植物園、舞台、公園がミックスした総合産業文化施設となりました。
府立大阪博物場案内図

 大阪府立商品陳列所は、1890年(明治23年)に北区堂島に創立されましたが、1909年(明治42年)の北区の大火災「北の大火」により、陳列所が類焼してしまいます。商品陳列所を再建するにあたり、1917年(大正6年)3月15日に堂島から本町橋東詰のこの地へ移転しました。大阪市パノラマ地図には、このときの商品陳列所が描かれています。
大阪府立大阪商品陳列所 外観

 1930年(昭和5年)1月1日 大阪府の産業行政機関整備・強化のため、「大阪府立商品陳列所」は名称を「大阪府立貿易館」と改められました。
 その後の1943年(昭和18年)3月には、戦時体制の下、大阪府立貿易館・大阪市貿易課・大阪商工会議所貿易課が行ってきたすべての貿易関係業務を集約し、南方資源調査などに当たることとなり、「大阪南方院」と改称されます。
 戦後の1945年(昭和20年)12月31日、大阪南方院は解散され、翌1946年(昭和21年)1月1日、大阪府立貿易館が復活しました。商品陳列所以来97年の歴史を持つ大阪府立貿易館は、1987年(昭和62年)11月、廃止されました。
 また、1948年(昭和23年)から1985年(昭和60年)にかけては、貿易館に附設された大阪高等貿易講習所、改称されて大阪府立貿易専門学校としても利用されました。

 現在、商品陳列所のあった地には、大阪商工会議所、マイドームおおさか、シティプラザ大阪が立地しています。
左から、大阪商工会議所、マイドームおおさか
シティプラザ大阪
 今回の解説は、マイドームおおさかの管理運営を行っておられる公益財団法人 大阪産業振興機構さんのホームページを参考にさせていただきました。

 大阪くらしの今昔館8階の近代のフロアに、大阪市パノラマ地図を拡大して床面に展示していますので、じっくりとご確認ください。

 大阪市パノラマ地図についてはこちらをどうぞ。
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2015/08/blog-post_29.html

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