2016年8月24日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(2-3)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。

(第2回 第3問)
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名、橋名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代天保年間には何があったでしょうか?
D 地図の中央下に「崎」とありますが、何という地名でしょうか?

  配点は、A、Dは各2点、B、Cは各3点とします。


解答と解説
A 造幣局
B 独立行政法人造幣局
C 幕府米蔵、木材蔵、津藩蔵屋敷、岸和田藩蔵屋敷
D 川崎の崎

 造幣局は、近代国家としての貨幣制度の確立を図るため、明治新政府によって大阪の現在地(大阪市北区)に創設され、明治4年4月4日に創業式を挙行し、当時としては画期的な洋式設備によって貨幣の製造を開始しました。
 その頃我が国では、機械力を利用して行う生産工業が発達していなかったため、大型の機械設備は輸入するとしても、貨幣製造に必要な各種の機材の多くは自給自足するよりほかなかったので、硫酸、ソーダ、石炭ガス、コークスの製造や電信・電話などの設備並びに天秤、時計などの諸機械の製作をすべて局内で行っていました。また事務面でも自製インクを使い、我が国はじめての複式簿記を採用し、さらに風俗面では断髪、廃刀、洋服の着用などを率先して実行しました。
 このように、造幣局は、明治初年における欧米文化移植の先駆者として、我が国の近代工業及び文化の興隆に重要な役割を果たしたので、大阪市が今日我が国商工業の中心として隆盛を見るようになったのも、造幣局に負うところが少なくないといわれています。
 その後、造幣局は、貨幣の製造のほか、時代の要請にこたえて勲章・褒章及び金属工芸品等の製造、地金・鉱物の分析及び試験、貴金属地金の精製、貴金属製品の品位証明(ホールマーク)などの事業も行っています。
 平成15年4月1日から、独立行政法人造幣局となりました。
 以上、独立行政法人造幣局さんのホームページから引用しました。


浪華名所獨案内の天満付近
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の東天満付近
明治41年、昭和4年、昭和22年の地形図、最近の航空写真の東天満付近(今昔マップ3)
第2回第4問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/08/blog-post_24.html
第2回第1問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/08/blog-post_10.html
第1回第1問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/06/blog-post_1.html

2016年8月22日月曜日

今週の今昔館(21) 20160822

〇特別展 中井大和守の建築指図 -世界遺産をつくった大工棟梁-
 開催中です。残り少なくなりました。
 平成28年7月23日(土)~8月28日(日) (※会期中は休まず開館いたします。)


 重要文化財「大工頭中井家建築指図」は江戸時代の大工頭・中井大和守と配下の棟梁衆が作図した建築設計図です。中井大和守がつくった建物は、大阪城、江戸城、二条城、名古屋城、京都御所、清水寺、知恩院、北野天満宮、方広寺など日本を代表する建物で、現存する作品の多くは国宝や世界遺産になっています。建築指図の多くは300年以上の年月を経て、破損が進んでいました。そこで平成25年度から3ヵ年にわたって、国庫補助と住友財団の助成による保存修理を行いました。
 この展覧会では、修理された建築指図を中心に「大工頭中井家建築指図」を一堂に公開し、日本建築の意匠と技術の真髄に迫ります。

 詳しくはこちらをどうぞ。≫http://konjyakukan.com/kikakutenji.html


特別展 中井大和守の建築指図 -世界遺産をつくった大工棟梁-


 関連イベントとして、谷直樹館長によるギャラリートークを開催します。
開催日時:8月28日(日)14:00から30分程度の予定。





方広寺大仏殿 重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵
清水寺絵図(部分) 重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵
「知恩院(部分)」重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵


〇子ども落語大会、参加者募集中です

第11回子ども落語大会
開催日時 : 9月11日(日)午後12時~17時(予定)
開催場所 : 大阪くらしの今昔館 9階常設展示場 薬屋座敷
参 加 費 : 無料(参加者の御家族1名は入館料無料です)
対 象 : 中学生以下
内 容 : 落語・小噺・おもしろい話など、なんでもOK!
持ち時間 : 一人10分以内(時間厳守のこと)
申込方法 : 往復はがきに住所、氏名、年齢(学年)、電話番号、演目、ありましたら舞台名、
      見台の要否、「出場に際してひとこと!」を明記の上、
      下記申込先へ往復はがきでお申し込みください
      申込者が多い場合は抽選となります
      申込期間 : 平成28年7月23日(土)から8月26日(金)まで(締め切り間近です)
(申込・問合せ先)
     〒530-0041
     大阪市北区天神橋6丁目4-20
     大阪くらしの今昔館「子ども落語大会」係
     TEL 06-6242-1170
備 考  : 本大会の入賞者は、10月9日(日)午前10時から、
     天満天神繁昌亭の舞台に出演していただきます



〇今昔館のあまり知られていない展示(その11)

 前回まで8階近代のフロアの「近代都市住宅年表」をご紹介してきましたが、9階近世のフロアの江戸時代の町家の中にも、皆さんが気が付いておられない見どころがいろいろとあります。これから、順次いくつかご紹介していきましょう。
 今回はまずこの写真から。
 どこにあるでしょうか?何の値段表でしょうか?



 答えは風呂屋。「湯銭」とあり、はじめに「一、男女 八文」 とあります。
 次に「一、小供 六文」とあり、子どもは大人の半額ではなく、四分の三となっています。
 次には「一、ちのみ子 四文」とあり、赤ちゃんが大人の半額となっています。当時は薪を燃やしてお湯を沸かすので、費用も手間も大変ですから、お湯の利用量からすると、子どもは大人の半額ではなく四分の三、乳飲み子が大人の半額となっていたようです。
 最後の「一、ぬか袋 三文」は、石鹸のなかった当時、ぬか袋で身体を洗っていたそうです。

 当時の一文が今のいくらになるかは25円から40円程度と諸説ありますが、上方落語の「時うどん」(江戸では「時そば」)では、うどん一杯が十六文でした。風呂代はうどん一杯の半額の八文ですから、現在よりは若干割り安か、同程度といったところでしょうか?

 この値段表は風呂屋の番台の後ろに掲示されていますので、次回今昔館にお越しの際には、是非ご確認ください。


 
〇今週のイベント・ワークショップ

◆7月20日から9月4日までの間は、休まず開館いたします。
http://konjyakukan.com/kaikanjikan.php?nextm=201608


22日~27日、29日~9月3日
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

8月28日、9月4日
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


8月27日(土)
ワークショップ 『ミニすだれを作ろう』

①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、参加費200円
*当日10時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆


8月28日(日)
町家衆イベント 絵本で楽しい時間

むかし話などの絵本を表情豊かに読み聞かせます。じっくりとお聞きください。
開催日: 第4日曜
時 間:14:30~15:00


9月4日(日)
イベント 町家寄席-落語

江戸時代にタイムスリップ!大坂の町で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸「皿屋敷」 桂慶治朗「はてなの茶碗」
14時~15時


9月4日(日)
町家衆イベント 町の解説

江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
時 間:13:00~16:00



そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2016年8月17日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(2-2)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。

(第2回 第2問)
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名、橋名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代天保年間には何があったでしょうか?
D 地図の中央上部に「島」とありますが、何という島でしょうか?

  配点は、A、Dは各2点、B、Cは各3点とします。

解答と解説
A 大阪商業会議所
B NTTテレパーク堂島
C 庭瀬、三日月、久留米、桑名、大村の各藩の蔵屋敷
D 堂島。パノラマ地図では大正13年に曽根崎川(蜆川)の東半分が埋め立てられた姿が描かれているが、それ以前は、堂島川と曽根崎川によって囲まれたまさに「島」となっていた。



 大阪市パノラマ地図に商業会議所が描かれているこの辺りはどのように変化してきたのでしょうか。第1問で紹介した地図では、江戸時代には各藩の蔵屋敷があったことがわかりましたが、その後どのように変わってきたのか見てみましょう。
 明治15年の地図には、堂島の西寄りに「五代氏藍製造場」とあり、この地に五代友厚氏が設立した朝陽館があったことがわかります。

明治15(1882)年発行の「改正新版大坂明細全図」の堂島

 明治33年の地図では、朝陽館の敷地には、北半分に商業学校と測候所、南東に商業會議所、南西に商品陳列所、と敷地が分けられています。藍製造所の朝陽館が廃止された跡地に、五代友厚氏が初代会頭を務めた商業会議所が置かれたほか、これも五代氏が関わったと考えられる商業学校や商品陳列所などの公的機関が立地しています。西隣の大学病院の敷地には明治33年には第一高等中学校がありました。

明治33(1900)年発行の「改正新町名入大阪市新地図」の堂島

 明治44年発行の「実地踏測大阪市街全図」をみると、朝陽館の地には、北側に※、南側に「會議」と※と、赤字で知事官舎とあります。「會議」は商業會議所を略したものです。 ※の意味は凡例にもなく不明ですが、商業学校は上福島へ、測候所は西区築港へ、商品陳列所は博物場の地である本町橋詰に移転しました。これらの移転にも明治42年の北の大火による被害が影響しているようです。西隣の第一高等中学校も一部被災し、北野の地へ移転しました。

明治44(1911)年発行の「実地踏測大阪市街全図」の堂島


 大阪市パノラマ地図では、「商業會議所」と書かれた赤レンガの建物と、その手前(西側)には緑の中に白っぽい建物が描かれています。知事官舎でしょうか。また、左側の北半分には、赤レンガの大きな建物と、2階建てくらいの複数の小さい建物が描かれています。
 パノラマ地図と近い時期の地図として、大正14年発行の「大阪市街大地図」を見ると、朝陽館の地は、南側は会議所と知事官舎になっていて明治33年から変化はありません。北側は空白になっていますが、大正10年に中之島の市庁舎が竣工して市役所が移転した後のようです。西隣には、大学病院が立地しています。

大正14(1925)年発行の「大阪市街大地図」の堂島

 昭和10年発行の「最新大大阪市街地図」を見ると、大正14年の第二次市域拡張から10年、大大阪の時代の都市改造が動き始めています。地下鉄の完成。市電「阪急前」の左下に、赤地白抜き文字で「地下鐡」とあります。そのほか、堂ビル、新大阪ホテル、大阪ビル(ダイビル)、大阪帝大など、このエリアだけを見ても、いろんな変化が現れてきたことが分かります。
 商業会議所は「商工會議所」と名称が変更されています。新たに、北側に中央電話局、福島電話局が、南側には中央電信局が誕生しています。当時のニューメディアの拠点がこの地に集約されたようです。現在NTT関連のビルがあるのも、この頃の名残と考えられます。

昭和10(1935)年発行の「最新大大阪市街地図」の堂島

このように、パノラマ地図に商業会議所が描かれている土地の使われ方を定点観測してみると、堂島が大阪のまちづくりに大きな影響を与えてきたことがわかります。詳しくは、こちらに「古地図探偵 五代氏藍製造所「朝陽館」のその後」としてまとめています。
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/05/blog-post_0.html 

第2回第3問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/08/blog-post_24.html
第2回第1問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/08/blog-post_10.html
第1回第1問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/06/blog-post_1.html

2016年8月15日月曜日

今週の今昔館(20) 20160815

〇特別展 中井大和守の建築指図 -世界遺産をつくった大工棟梁- 開催中です
 平成28年7月23日(土)~8月28日(日) (※会期中は休まず開館いたします。)


 重要文化財「大工頭中井家建築指図」は江戸時代の大工頭・中井大和守と配下の棟梁衆が作図した建築設計図です。中井大和守がつくった建物は、大阪城、江戸城、二条城、名古屋城、京都御所、清水寺、知恩院、北野天満宮、方広寺など日本を代表する建物で、現存する作品の多くは国宝や世界遺産になっています。建築指図の多くは300年以上の年月を経て、破損が進んでいました。そこで平成25年度から3ヵ年にわたって、国庫補助と住友財団の助成による保存修理を行いました。
 この展覧会では、修理された建築指図を中心に「大工頭中井家建築指図」を一堂に公開し、日本建築の意匠と技術の真髄に迫ります。

 詳しくはこちらをどうぞ。≫http://konjyakukan.com/kikakutenji.html


特別展 中井大和守の建築指図 -世界遺産をつくった大工棟梁-


 関連イベントとして、谷直樹館長による講演会「建築指図を深読みする-修復を終えた江戸時代の建築絵図から見えてきたもの」を、8月21日(日)10:30から開催します。詳しくは、こちらをどうぞ。
http://konjyakukan.com/kikakutenji.html#kikakutenji20160821

 また、講演会のほかに、谷直樹館長によるギャラリートークを開催します。
開催日時:8月28日(日)14:00から30分程度の予定。





方広寺大仏殿 重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵
清水寺絵図(部分) 重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵
「知恩院(部分)」重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵


〇子ども落語大会、参加者募集中です

第11回子ども落語大会
開催日時 : 9月11日(日)午後12時~17時(予定)
開催場所 : 大阪くらしの今昔館 9階常設展示場 薬屋座敷
参 加 費 : 無料(参加者の御家族1名は入館料無料です)
対 象 : 中学生以下
内 容 : 落語・小噺・おもしろい話など、なんでもOK!
持ち時間 : 一人10分以内(時間厳守のこと)
申込方法 : 往復はがきに住所、氏名、年齢(学年)、電話番号、演目、ありましたら舞台名、
      見台の要否、「出場に際してひとこと!」を明記の上、
      下記申込先へ往復はがきでお申し込みください
      申込者が多い場合は抽選となります
      申込期間 : 平成28年7月23日(土)から8月26日(金)まで
(申込・問合せ先)
     〒530-0041
     大阪市北区天神橋6丁目4-20
     大阪くらしの今昔館「子ども落語大会」係
     TEL 06-6242-1170
備 考  : 本大会の入賞者は、10月9日(日)午前10時から、
     天満天神繁昌亭の舞台に出演していただきます


〇今昔館のあまり知られていない展示(その10)

 戦前大阪市には社会部という組織がありました。現在では新聞社にあるような名前の部署ですが、当時の大阪市社会部は、住宅政策や労働政策、児童保護政策などの社会事業を所管していました。社会事業に行政としての対応が始まったことは、都市政策の画期をなすものでした。不良住宅地区改良事業は社会部のもっとも重要な事業のひとつでした。その事業によって建設された住宅が 大阪くらしの今昔館に展示されています。常設展示の8階近代のフロア「モダン大阪 パノラマ遊覧」の近代都市住宅年表のコーナーにあります。
 明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたもので、この年表の下の段には各時代の代表的な住宅の立面図が同じスケールで描かれています。このパネルをよく見ると、北日東住宅が見つかります。



8階近代のフロアの「近代都市住宅年表」のコーナー

北日東町住宅

 不良住宅地区改良事業は大阪市社会部のもっとも重要な事業のひとつでした。大阪市は大正13年に住宅密集地区2か所の調査を行い、内務大臣の地区指定を待って昭和2(1927)年に住宅地区改良事業に着手しました。対象地区は19の不良住宅地区、約1900坪でした。
 現居住者を仮住宅に移転させ、土地建物を買収して敷地整備と改良住宅の建設を行った後に居住者を帰還居住させる計画で、昭和4年に今宮住宅が竣工したのを皮切りに、仮住宅5か所と改良住宅5か所が完成しました。当初は7年までに1534戸を建設する予定でしたが、利害関係の調査に手間取ったうえに、資材不足が次第に深刻になり、何回かの延長を重ねて17年度までに18地区中13地区を完了し、19年に打ち切られました。
 建設された改良住宅は木造2階建て280戸、鉄筋コンクリート3階建て共同住宅726戸で、木造の仮住宅は144戸でした。鉄筋コンクリートの共同住宅自体が珍しかった当時、最新の設備を備えた改良住宅は大きな注目を浴びました。
 大阪朝日新聞は、「通称カンテキ裏と呼ばれてゐた南日東町のスラム街が一変して、瀟洒たる客船を思はせる鉄筋コンクリートの三層建築がアスフアルトの舗道を挟んで五棟も出現したんだからまつたく隔世の感がある。」と地域の変貌ぶりと改良住宅の「堂々たるモダニズム」を紹介しています(昭和8(1933)年2月23日付け)。

 解説は、「まちに住まう -大阪都市住宅史-」を参考にさせていただきました。




〇今週のイベント・ワークショップ

◆7月20日から9月4日までの間は、休まず開館いたします。
http://konjyakukan.com/kaikanjikan.php?nextm=201608


8月15日~20日、22日~27日、29日~9月3日
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

8月21日(日)、28日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


8月20日(土)
町家衆イベント 折り紙

季節に合わせてさまざまな折り紙をお教えします。作品は持ち帰っていただきます。
時 間:13:30~15:00


8月21日(日)
イベント 町家でお茶会

町家の座敷で「ほっと一息」一服いかがですか
先着順50名、茶菓代300円
※ 当日10時30分より8階ミュージアムショップでお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
時 間:13時~15時


8月21日(日)
町家衆イベント 今昔語り

大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
時 間:14:30~15:00


8月21日(日)
町家衆イベント 町の解説

江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
時 間:13:00~16:00


8月27日(土)
ワークショップ 『ミニすだれを作ろう』

①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、参加費200円
*当日10時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆


8月28日(日)
町家衆イベント 絵本で楽しい時間

むかし話などの絵本を表情豊かに読み聞かせます。じっくりとお聞きください。
開催日: 第4日曜
時 間:14:30~15:00



そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2016年8月10日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(2-1)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。

(第2回 第1問)
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名、橋名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代天保年間には何があったでしょうか?
D 左側の川の名前は?現在はどうなっていますか?

  配点は、A、Dは各2点、B、Cは各3点とします。

解答と解説
A 大学病院(大阪大学医学部附属病院)
B ほたるまち
C 富山、中津、延岡、久留米、秋田、上田、長岡、名古屋の各藩の蔵屋敷
D 曽根崎川(蜆川ともいう)。明治42(1909)年にキタの大火(天満焼け)が発生した際に、瓦礫の廃棄場所となって緑橋(梅田入堀川)より上流側が埋め立てられ、大正13(1924)には下流側も埋め立てられて消滅した。

 天保年間発行の浪華名所獨案内は当時の観光マップで、堂島は描かれているものの、米市場と大丸呉服店が描かれているだけで、蔵屋敷の藩名は書かれていません。

 天保8(1837)年発行の天保新改攝州大阪全圖には、藩の名前が書かれています。藩名が解答例と一部異なっていますが、解答例は大阪市発行の「新修大阪市史第10巻」付録「図5 天保期の大坂三郷」を参考にしました。

浪華名所獨案内(天保年間)の堂島
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の堂島西部

 こちらは、大阪市パノラマ地図とほぼ同時期の實地踏測大阪市街圖です。大学病院の文字があり、北側には曽根崎川(蜆川)が書かれています。道路拡幅の計画線も入っています。これから大大阪に時代に入っていきます。
實地踏測大阪市街圖(大正14(1925)年発行)の堂島西部

 今昔マップ3を使って、明治42年、昭和7年、昭和30年の各時期の地形図と、最近の航空写真の堂島付近を示しました。明治42年の地形図には「北の大火」の焼失エリアが、昭和30年の地形図には戦災による傷跡が残っています。
 昭和7年と30年の地形図には大学病院の建物も描かれています。右下の航空写真には「ほたるまち」が写っています。
明治42年、昭和7年、昭和30年の地形図、最近の航空写真の堂島付近(今昔マップ3)

第2回第2問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/08/blog-post_17.html
第1回第1問はこちらからどうぞ。≫ http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/06/blog-post_1.html


2016年8月8日月曜日

今週の今昔館(19) 20160808

〇特別展 中井大和守の建築指図 -世界遺産をつくった大工棟梁- 開催中です
 平成28年7月23日(土)~8月28日(日) (※会期中は休まず開館いたします。)


 重要文化財「大工頭中井家建築指図」は江戸時代の大工頭・中井大和守と配下の棟梁衆が作図した建築設計図です。中井大和守がつくった建物は、大阪城、江戸城、二条城、名古屋城、京都御所、清水寺、知恩院、北野天満宮、方広寺など日本を代表する建物で、現存する作品の多くは国宝や世界遺産になっています。建築指図の多くは300年以上の年月を経て、破損が進んでいました。そこで平成25年度から3ヵ年にわたって、国庫補助と住友財団の助成による保存修理を行いました。
 この展覧会では、修理された建築指図を中心に「大工頭中井家建築指図」を一堂に公開し、日本建築の意匠と技術の真髄に迫ります。

 詳しくはこちらをどうぞ。≫http://konjyakukan.com/korekara.html


特別展 中井大和守の建築指図 -世界遺産をつくった大工棟梁-

 関連イベントとして、谷直樹館長による講演会「建築指図を深読みする-修復を終えた江戸時代の建築絵図から見えてきたもの」を8月21日(日)10:30から開催します。詳しくは、こちらをどうぞ。
http://konjyakukan.com/kikakutenji.html#kikakutenji20160821

 また、講演会のほかに、谷直樹館長によるギャラリートークを開催します。
開催日時:8月14日(日)、8月28日(日)、それぞれ14:00から30分程度の予定。




方広寺大仏殿 重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵
清水寺絵図(部分) 重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵
「知恩院(部分)」重要文化財 中井正知氏・中井正純氏蔵


〇今昔館のあまり知られていない展示(その9)

 大阪くらしの今昔館に村野藤吾、安藤忠雄の作品が展示されています。

 え~そんなんあったかなぁ?という方が多いと思います。特別展ではありません。常設展示の8階近代のフロア「モダン大阪 パノラマ遊覧」の近代都市住宅年表のコーナーにあるのです。
 明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたもので、この年表の下の段には各時代の代表的な住宅の立面図が同じスケールで描かれています。このパネルをじっくり見ると、村野藤吾さん、安藤忠雄さんの作品が見つかります。

8階近代のフロアの「近代都市住宅年表」のコーナー

 大阪パンションは、1932年に、大阪南郊の西成区玉出に存在したアパートメントホテルです。村野藤吾が渡辺節建築事務所から独立して間もない時期に手がけた作品です。
 建物は、4階建てのパンション(ペンション、フランス語で下宿屋の意)部分と2階建てのアパート部分からなり、それらがL字形の敷地に合わせて配置されています。個室はプライバシーと採光への配慮から雁行して接続しています。その結果現れる連続して屈折する白色に近い外壁面とバルコニーがもたらす陰影や、外壁面と同面に納められた水平連続窓の扱いなど、村野作品の中でも造形的にもっとも顕著にインターナショナルスタイルの特色を見せるものの1つといえます。内部にはサロンやバー、ビリヤード室が設けられ、地元の名士が集う社交場にもなったといいます。形態的特徴だけでなく提案された生活様式の点でもきわめて先進的な建築でありました。以上、「村野藤吾 建築案内」(TOTO出版)より引用させていただきました。


立面パネルの大阪パンション

 住吉の長屋(すみよしのながや)は、建築家・安藤忠雄の初期の代表的住宅建築です。
 1976年(昭和51年)2月竣工、大阪市住吉区の三軒長屋の真ん中の1軒を切り取り、中央の三分の一を中庭とした鉄筋コンクリート造りの小住宅。総工費予算は解体費を含め1000万円。外に面しては採光目的の窓を設けず、採光は中庭からだけに頼っています。玄関から内部に入ると居間があり、台所や2階に行くには中庭を通らねばなりません。限られた予算と敷地という厳しい条件の中で、建蔽率などの多くの条件をクリアしながら通風や採光を確保し、豊かな空間を創作するため機能性や便利さを犠牲にしてまで、真に必要な生活の質を究極にまで突き詰め、機能性や連続性に絶対的価値をおくことに疑問を持っていたという安藤の渾身の表現であり、関西に根付いた長屋の住み方を現代風にアレンジしたものとして高く評価される一方で、「使いにくい」、「雨の日に傘を差さないとトイレに行けない」などの当然起こりうるべき非難もありました。
 近畿地方(京都、大阪)の長屋住宅は、中庭・通り庭・後庭を備えることを理想とする住宅様式です。しかし敷地が充分でない場合など、良好でない住環境となることも少なくありません。 安藤自身がそうした住環境に長年住み続けて、生活にとって重要である通風、採光、日照などの確保を知悉していたことから、大胆なデザインによる革新的な住宅が着想されました。
 敷地は間口2間、奥行き7件で14坪しかなく、施主の当初の意向など到底反映されないと考えた安藤は、長屋をすっぱり切り取ってコンクリートの箱を入れ、抽象的な芸術に近いような物にしたいと考えました。 安藤曰く「単純ではあるけれども実際には単純ではない、物理的にはどれほど小さな空間であっても、その小宇宙のなかにかけがえのない自然があり豊かさがあるような住宅をつくりたかったのです。」と述べています。また、全体の約三分の一を中庭にすることで、建ぺい率60%でも敷地いっぱいに建てられる合理性もあると考えました。西洋的な環境の中に日本的感性を持ち込むため、日本建築で採用されてきた寸法を採用し、7尺5寸(約2.25m)という天井の高さを決めたとされます。内装材や家具などは天然素材を使用、床は石材、フローリング・家具は木材です。
 1979年(昭和54年)に、日本建築学会賞を受賞。2006年(平成18年)にはDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれています。以上、ウィキペディアより引用させていただきました。


立面パネルの住吉の長屋

〇今週のイベント・ワークショップ

◆7月20日から9月4日までの間は、休まず開館いたします。



8月8日~13日、15日~20日、22日~27日、29日~9月3日
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

8月14日(日)、21日、28日
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


8月11日(木・祝)
ワークショップ 『うちわを作ろう』

①13時30分 ②14時30分
当日先着10名、参加費300円
*当日10時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆


8月13日(土)、14日(日)
イベント 今昔館で夏祭り ― 楽市町家 ―

町家の店先に町家衆手作りのかわいい商品が並びます
13時~16時
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆


8月14日(日)
町家衆イベント おじゃみ(有料)

古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
時 間:14:00-16:00


8月20日(土)
町家衆イベント 折り紙

季節に合わせてさまざまな折り紙をお教えします。作品は持ち帰っていただきます。
時 間:13:30~15:00


8月21日(日)
イベント 町家でお茶会

町家の座敷で「ほっと一息」一服いかがですか
先着順50名、茶菓代300円
※ 当日10時30分より8階ミュージアムショップでお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
時 間:13時~15時


8月21日(日)
町家衆イベント 今昔語り

大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
時 間:14:30~15:00


8月21日(日)
町家衆イベント 町の解説

江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
時 間:13:00~16:00




そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2016年8月5日金曜日

第5回大阪市パノラマ地図検定(第10問) 20160805

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から10問の問題を出題します。

第10問
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D 丸で囲まれた「造」は何でしょうか?
E 1614年には、ここには何があったでしょうか?

※江戸時代の手がかりをつかむには、浪華名所獨案内を活用してください。
※大阪市パノラマ地図の全体は、こちらからご覧いただけます。



後日、解答例と解説を投稿します。自己採点していただき、
90点以上で1級、80点以上で2級、70点以上で3級が認定されます。
配点は、A~Eそれぞれ2点とします。

早くに答えを知りたい方は、下記あてに解答をお送りいただきますと、コメントをつけて返信いたします。
回答は、こちらからどうぞ。(「お問い合わせ内容*」の欄にA~Eの解答を記入してください。)


さあ、レッツ、チャレンジ!!
多くの皆さんの回答をお待ちしています。
このブログのコメントに回答をすることはご遠慮ください。

地図は「こちずぶらり」さんからお借りしました。
無料キャンペーンが延長されています。アンドロイド版も公開されました。

続きはこちらからどうぞ。
第5回検定の第1問はこちらからどうぞ。


第1回検定はこちらからどうぞ。
第2回検定はこちらからどうぞ。
第3回検定はこちらからどうぞ。
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